電力量の不足に伴う問題について、いろいろと取りざたされている議論がどうも早急すぎる感じがして、私なりに整理してみました。
ご意見ご批判など是非コメントをお寄せ下さい。
(3月28日17;40 日経ビジネス2011年3月28日号の情報をいただきましたので、それを読んだ上で少し追記しました。追記分は、下線を引いています。)
表面的に報じられる問題点は、原発の停止や火力発電所の地震被害等によって、
・東京電力管内の電力供給量が不足している。
ということです。
過去にも原子力発電所が停止することはありました。
その際にとられてきた解決策は、
・火力発電所等、原子力以外の既存発電所の発電量を多くする。
・利用者が節電する。
でした。
一つ目の解決策では、
・火力発電所の発電量を増やせば増やすほどCO2の発生量が多くなる。
というマイナスの副作用があります。
二つ目の解決策には、
・節電によって利用者になにがしかの不便が生じる。
というマイナスの副作用があります。
その他、電力会社の経営にとっては、
・発電コストがあがる。
・電気使用料金収入が減る。
などのマイナスの影響があります。
世の中の議論を見ていると、これは無視されているようですので、ここでは、私も問題症状として取り扱わないようにしておきます。
今回は、上で述べた既存の解決策では、大規模停電が避けられない状況として、さらに強力な解決策を用いています。
現在とられている解決策は、過去の二つ
・火力発電所等、原子力以外の既存発電所の発電量を多くする。
・利用者が節電する。
に加えて、さらに強力な一つ、
・関東地方および東北地方において計画停電を実施する。
です。
しかし、ご承知の通り、これには大きなマイナスの副作用があります。
・停電によって産業活動が阻害されている。
・停電によって住民の生活に不便が生じている。
上記の解決策とそれによって解決される問題の対応について、検証してみます。
解決策;
・関東地方および東北地方において計画停電を実施する。
解決されるべき問題;
・関東地方および東北地方における電力が不足し、予期せぬ大規模停電が発生する(←下線部を追記しました)。
東京電力の供給電力は50Hzです。
東京電力の電力が不足する場合、東北電力からはそのままいくらかの電力を回すことができます。
中部電力からの供給も可能ですが、供給量は50Hzへの変換能力に依存しています。
周波数の変換能力は、100万KWに限定されています(日経ビジネス2011年3月28日号より)(←下線部を追記しました)
よって解決されるべき問題は、
・50Hz電力の供給量が使用量に対して不足している。
と言い換えられます。
解決すべき問題の表現方法を変えるだけで、考えの幅が広がります。
ここで考えられる解決策の方向性は、需要と供給の両面にあります。
・50Hz電力の供給能力の増強
・50Hz電力利用者の60Hz地域への移動
すでに中部電力では、50Hzの供給能力増強の動きがあります。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20110324/106195/
60Hz地域も含めて、日本全体の電力供給量で考えれば、解決すべき問題は、
・60Hzと50Hzを相互変換するキャパシティの不足
今回は特に、
・60Hzを50Hzに変換するキャパシティの不足
と言えそうです。
今後のことを考えても、上記のキャパシティの増強は国家的な危機対策として必要なのではないかと感じます。
しかし、日経ビジネス2011年3月28日号によれば、周波数変換装置の増強には大変な時間がかかるとのことです。なぜそんなに時間がかかるのかが、専門家ではない私には理解できません。また、こういう時だからこそ諦めるのではなく、イノベーションが必要です。
中部電力がすでに行っているように、変換するのではなく、直接50Hzを生み出しても構わないわけです。
(←下線部を追記しました)
電力の消費量から考えれば、
・利用者側が60Hz地域に移動する
ことも効果があります。
西日本へ本社機能を移転する会社が複数でてきています。
これらの動きは、その会社自体のビジネスの継続性だけでなく、日本全体の経済活動を守るためのいわば全体最適のための行動であることを理解する必要があります。
西日本へ移転しても支障がない業務は移転し、50Hz地域の電力消費量を減らすことは、いま直面する危機に対して企業レベルで協力できる最高の貢献策だと私は思うのです。
設備に依存する製造業は、そう簡単に移転できませんが、知識集約型の産業のでは、大いに可能性はあると思います。(←下線部を追記しました)
ご意見ご批判など是非コメントをお寄せください。
K様より、メールにてコメントいただきました。
日経ビジネスの2011年3月28日号に同じようなことを扱っている記事があるとの情報をいただきました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110324/219124/?top
こちらでは新しい雑誌は入手不可能のため、大変たすかりました。
ありがとうございました。
投稿情報: 桂 利治 | 2011/03/28 16:48